職業能力開発促進法に基づくキャリアコンサルタント資格とは

2025年12月29日

職業能力開発促進法に基づくキャリアコンサルタント資格とは

キャリアコンサルタントは、職業能力開発促進法に基づく国家資格です。

この記事では、法的背景や資格の特徴、取得に向けた準備について解説します。

職業能力開発促進法とは

職業能力開発促進法は、働く人々の職業能力の開発と向上を促進することを目的とした法律です。1969年に職業訓練法として制定され、1985年に現在の職業能力開発促進法へと改称・改正されました。この法律は、職業訓練や技能検定、そしてキャリア形成支援など、労働者の能力開発に関する包括的な枠組みを定めています。

職業能力開発促進法の主な目的

  • 労働者の職業生活設計の支援
  • 職業能力の開発および向上の促進
  • 職業の安定と労働者の地位向上
  • 経済社会の発展への寄与

この法律は、時代の変化に応じて何度も改正されてきました。特に近年は、働き方の多様化や生涯現役社会の到来を背景に、キャリア形成支援の重要性が高まっています。

キャリアコンサルタントが国家資格化された背景

2016年4月、職業能力開発促進法の改正により、キャリアコンサルタントは国家資格として位置づけられました。この改正は、単なる資格制度の整備ではなく、国の人材政策における重要な転換点といえます。

国家資格化の背景には、以下のような社会的要請がありました。

国家資格化を後押しした社会的要因

  • 職業人生の長期化に伴う、生涯を通じたキャリア形成支援の必要性
  • 転職や副業など、働き方の選択肢の多様化
  • 企業内でのキャリア開発支援体制の強化
  • 若年層から高年齢層まで、各世代に応じた支援ニーズの拡大

国家資格化により、一定の品質が保証された専門的な支援を提供できる体制が整えられました。これは、相談者にとって信頼できる専門家を見分けやすくなっただけでなく、キャリア支援に携わる専門家の社会的地位向上にもつながっています。

職業能力開発促進法における位置づけ

職業能力開発促進法第30条の3から第30条の29に、キャリアコンサルタントに関する規定が定められています。主な内容は以下の通りです。

法律で定められた主な事項

  • キャリアコンサルタントの定義と業務内容
  • 国家試験の実施に関する事項
  • 厚生労働大臣への登録制度
  • 名称独占に関する規定
  • 守秘義務とその罰則
  • 5年ごとの更新制度

これらの規定により、キャリアコンサルタントは法的根拠を持った専門資格として運用されています。

国家資格としての3つの特徴

1. 名称独占資格である

職業能力開発促進法により、「キャリアコンサルタント」という名称は、国家資格を取得し登録した者のみが使用できます。これは医師や弁護士などと同様の名称独占の仕組みです。

無資格者がこの名称を使用した場合、30万円以下の罰金が科される可能性があります。この制度により、利用者は信頼できる専門家を明確に見分けることができます。

2. 守秘義務が法定されている

キャリアコンサルタントには、職業能力開発促進法第30条の28により守秘義務が課されています。業務上知り得た秘密を漏らした場合、30万円以下の罰金が科される可能性があります。

この法的義務により、相談者は安心して個人的なキャリアの悩みや将来設計について相談することができます。

 3. 継続的な学習が義務付けられている

キャリアコンサルタントの登録は5年ごとの更新制となっており、更新時には厚生労働大臣が指定する更新講習を受講する必要があります。この制度により、常に最新の知識と技能を維持することが求められています。

受験資格について

キャリアコンサルタント試験を受験するには、以下のいずれかの要件を満たす必要があります。

区分 要件
養成講習修了 厚生労働大臣が認定する講習の課程を修了すること
実務経験 労働者の職業の選択、職業生活設計等に関する相談に関し3年以上の経験を有すること
技能検定合格 キャリアコンサルティング技能検定の学科試験または実技試験に合格していること

多くの方は、最初の「養成講習修了」のルートを選択されています。

資格取得後のキャリア展開

キャリアコンサルタント資格は、さまざまな場面で活用できます。

活躍が期待される主な分野

  • 企業の人事部門でのキャリア開発支援
  • 教育機関での学生へのキャリア教育
  • 人材紹介・人材派遣業での相談業務
  • ハローワークや自治体での就労支援
  • 独立開業によるキャリア相談サービス

国家資格であることで、対外的な信頼性も高く、専門家としての活動の幅が広がります。

まとめ

キャリアコンサルタントは職業能力開発促進法に基づく国家資格であり、法的な裏付けと社会的な信頼性を持っています。名称独占や守秘義務といった法的な枠組みにより、専門性が保護されると同時に、高い倫理基準が求められる資格です。

この法律は、働く人々の職業能力開発を国として支援する仕組みの一つであり、キャリアコンサルタントはその中核を担う専門家として位置づけられています。

資格取得を目指す際は、厚生労働大臣認定の養成講習を受講することで、法律で定められた受験要件を満たしながら、必要な知識と技能を体系的に習得できます。キャリア支援の専門家として、多くの方々の職業人生をサポートする役割は、社会的にも意義深いものです。

監修者:CMCA理事長須藤和之

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