感情を言葉にできない相談者が変わる魔法の質問集

2025年08月07日

2025年08月08日

感情を言葉にできない相談者が変わる魔法の質問集

「なんとなくモヤモヤする」「うまく言えないけど違和感がある」—感情を適切な言葉で表現できない相談者に、どう寄り添えばいいのでしょうか。
感情の言語化は、キャリア選択の核心に迫る重要なプロセス。相談者の心の奥にある本当の気持ちを引き出す「魔法の質問」をマスターしましょう。

なぜ感情を言葉にできないのか?

感情表現の困難には3つの壁があります。

語彙の壁: 感情を表す言葉を十分に知らない

 認識の壁: 自分の感情に気づいていない

表現の壁: 感情を言葉にすることへの恐れや恥ずかしさ

多くの相談者は「嬉しい・悲しい・怒り」といった基本感情しか使えず、微細な感情の違いを表現する語彙を持っていません。
また、日本の文化では感情をストレートに表現することを避ける傾向があり、これが表現の壁を高くしています。

段階別アプローチ:感情の言語化3ステップ

ステップ1:感情の存在に気づかせる

まずは「何か感じている」ことを認識してもらいます。

魔法の質問例

・「今、胸のあたりはどんな感じですか?」

・「その話をしている時の体の感覚を教えてください」

・「もし色で表すとしたら、どんな色のイメージですか?」

身体感覚や五感を使った質問は、頭で考えすぎることなく感情に気づきやすくなります。

ステップ2:感情の方向性を探る

ポジティブかネガティブか、どちらの方向に向いているかを明確にします。

魔法の質問例

・「それは心地よい感じですか、それとも不快な感じですか?」

・「もっと近づきたい感情ですか、離れたい感情ですか?」

・「その状況を思い出すと、エネルギーが湧きますか、それとも疲れますか?」

二択で答えやすくすることで、相談者の負担を軽減しながら感情の方向性を掴めます。

ステップ3:具体的な感情名を見つける

最終段階で、具体的な感情を言語化していきます。

魔法の質問例

・「不安の中でも、心配なのか、焦りなのか、恐れなのか、どれに近いですか?」

・「嬉しいの中でも、安心に近いのか、期待に近いのか、どちらでしょう?」

・「もし親しい友人に説明するとしたら、どんな気持ちだと伝えますか?」

実用的な質問フレーズ20選

【身体感覚活用系】

1.「肩の力はどうですか?入っていますか、抜けていますか?」

2.「その話をする時の呼吸の深さはいかがですか?」

3.「頭の中はスッキリしていますか、ごちゃごちゃしていますか?」

感情は言葉になる前に身体反応として現れることが多く、特に緊張や不安、安心といった感情は身体に表れやすい傾向があります。身体の状態に意識を向けることで、相談者は思考よりも直感的に感情にアクセスしやすくなり、「なんとなく」の正体に気づく手がかりとなります。

【比喩・イメージ系】

4.「今の気持ちを天気で表すと?」

5.「心の中に流れている音楽があるとしたら、どんなメロディですか?」

6.「その感情に形があるとしたら、どんな形ですか?」

抽象的な感情を直接言語化することが難しい相談者でも、イメージや比喩を使うことで感覚的・視覚的に表現しやすくなります。創造的な表現は自由度が高く、正解・不正解の不安を感じさせずに、自分らしい感情表現を引き出すことができます。

【時間軸活用系】

7.「この感情は昔から知っている感じですか、初めての感じですか?」

8.「子どもの頃の自分だったら、なんて言うでしょうか?」

9.「明日の朝起きた時、この気持ちはどう変わっていそうですか?」

感情はその場限りのものとは限らず、過去の経験や未来への不安とも深くつながっています。時間軸を用いることで、相談者はその感情の「出どころ」や「行き先」を考えるきっかけとなり、自分の感情との距離感を調整することができます。自己理解が深まりやすい視点です。

【関係性探索系】

10.「この感情を感じている時、誰の存在を意識していますか?」

11.「もし家族にこの気持ちを伝えるとしたら、どう説明しますか?」

12.「この感情を理解してくれそうな人は誰ですか?」

人間の感情は、他者との関係性の中で生まれることが少なくありません。関係性に意識を向けることで、感情の背景にある「他者とのつながり」や「期待」「役割」などが浮かび上がり、より立体的な自己理解へとつながります。

【行動連動系】

13.「この気持ちがあると、どんな行動を取りたくなりますか?」

14.「反対に、どんなことは絶対にしたくないですか?」

15.「反対に、どんなことは絶対にしたくないですか?」

感情は単に感じるものではなく、行動の原動力でもあります。感情と行動のつながりを意識することで、相談者は自分の「衝動」や「避けたいもの」に気づき、感情が持つメッセージ性を理解しやすくなります。これはキャリア選択に直結する非常に重要な視点です。

【価値観探索系】

16.「この感情は、あなたの何を大切にしたい気持ちから来ていますか?」

17.「この気持ちがあることで、何を守ろうとしていますか?」

18.「もしこの感情がなかったら、何を失うような気がしますか?」

感情の奥には、その人が「本当に大切にしたいこと(価値観)」が隠れています。感情を通して価値観にアクセスすることで、相談者は自分の信念や譲れない軸に気づきます。これはキャリアの方向性や意思決定を明確にするための土台となります。

【未来志向系】

19.「この感情を大切にしながら進むとしたら、どんな道がありますか?」

20.「この気持ちが満たされている状態を想像すると、どんな感じですか?」

ネガティブな感情にとらわれている相談者も、未来への視点を持つことで感情を建設的に活かすイメージが持てるようになります。「どうなりたいか」を描くことで、感情が希望や指針に変わり、前向きな行動につながりやすくなります。

NG質問パターンに注意

避けるべき質問例

・「なぜそう感じるんですか?」(理由を求めすぎる)

・「本当にそう思っているんですか?」(感情を否定する)

・「もっとポジティブに考えられませんか?」(感情を変えようとする)

効果的な活用のコツ

1.一度に多くを求めない: 1つの質問で十分な沈黙時間を取る

2.相談者の言葉を受け止める: どんな表現でも「そうなんですね」と受容

3.完璧を求めない: 「なんとなく」「ちょっと」も立派な表現として認める


感情の言語化は一朝一夕にはできません。しかし、これらの質問を使うことで、相談者は自分の内面に気づき、本当に大切にしたいことが見えてきます。
まずは相談者との信頼関係を築き、感情を伝えても大丈夫という安心感を持ってもらいましょう。
質問することだけにとらわれず、相談者の些細な感情表現も見逃さないようにしたいですね。

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