精神保健福祉士から見たキャリアコンサルタント資格の価値
2025年12月22日
「キャリアコンサルタント」と「精神保健福祉士」。どちらも人の人生に寄り添う専門職ですが、それぞれ異なる専門性と強みを持っています。
これから資格取得を目指す方、あるいはすでにどちらかの資格を持ち、さらなる専門性の向上を考えている方に向けて、両資格の特徴と可能性について解説します。
目次
キャリアコンサルタントと精神保健福祉士の特徴
両資格は、それぞれ確立された専門領域を持つ国家資格です。
資格の概要
| 項目 | キャリアコンサルタント | 精神保健福祉士 |
|---|---|---|
| 資格の種類 | 国家資格(名称独占) | 国家資格(名称独占) |
| 主な専門領域 | キャリア形成・職業選択・能力開発 | 精神保健福祉・医療ソーシャルワーク |
| 支援の特徴 | キャリア理論に基づく体系的支援 | 医療・保健・福祉の視点からの包括的支援 |
| 主な活動場所 | 企業・教育機関・ハローワーク・人材サービス等 | 医療機関・福祉施設・行政機関・就労支援事業所等 |
キャリアコンサルタントの専門性
キャリアコンサルタントは、働く人一人ひとりのキャリア形成を支援する専門家です。
支援の内容
- 職業選択や転職に関する相談
- 自己理解の促進(興味・適性・価値観の明確化)
- キャリアプランの設計と具体的な行動計画の作成
- 職業情報の提供とキャリア理論に基づく助言
- 組織におけるキャリア開発支援
幅広い年代・職業の方に対して、キャリアの節目や転機において専門的なサポートを提供します。企業の人事部門、教育機関、公共職業サービスなど、多様な場面で活躍しています。
精神保健福祉士の専門性
精神保健福祉士は、精神保健福祉領域のソーシャルワーカーとして、専門的な支援を行います。
支援の内容
- 精神疾患のある方やその家族への相談援助
- 医療機関における退院支援・地域移行支援
- 生活支援・社会復帰支援
- 就労を含む社会参加の促進
- 権利擁護や制度活用の支援
医療・保健・福祉の専門知識を持ち、精神障害のある方の生活全般を支える重要な役割を担っています。
それぞれの資格が持つ強み
両資格は独立した専門性を持ち、それぞれが社会で必要とされています。
キャリアコンサルタントの強み
- キャリア理論に基づく体系的なアプローチ
- 労働市場や職業情報への深い理解
- 組織開発やキャリア教育への展開力
- 幅広い業界・職種への対応力
精神保健福祉士の強み
- 医療・福祉制度への精通
- 精神疾患や障害特性への専門的理解
- 生活全般を見据えた包括的支援の視点
- 長期的な伴走型支援の実践力
ダブルライセンスという選択肢
両資格はそれぞれ独立して価値がありますが、組み合わせることで新たな可能性が生まれる場合があります。
支援の視野が広がる可能性
キャリアコンサルタントの知識を持つ精神保健福祉士は、就労支援において職業適性やキャリア形成の視点を加えることが期待できます。
精神保健福祉の知識を持つキャリアコンサルタントは、メンタルヘルスへの配慮を持ちながら、より丁寧なキャリア支援を行える可能性があります。
活動の選択肢が広がる場合も
ダブルライセンスによって、以下のような場面での活躍が考えられます。
- 就労移行支援事業所でのキャリアプログラム開発
- 病気治療と仕事の両立支援
- 企業における障害者雇用の推進支援
- リワーク支援事業所での復職サポート
- 企業内での従業員支援プログラム
- 専門性を活かした独立開業
ただし、これらの活動は資格の組み合わせだけで実現するものではなく、実務経験や所属組織の体制によっても異なります。それぞれの資格単体でも十分に専門性を発揮できる領域です。
キャリアコンサルタント資格の取得について
キャリアコンサルタント試験の受験には、厚生労働大臣が認定する養成講習の修了が標準的なルートです。
養成講習で学ぶこと
養成講習では、キャリア支援の専門家として必要な知識とスキルを体系的に習得します。
- キャリア理論とカウンセリング理論
- 傾聴技法と面談スキル
- 職業情報と労働市場の理解
- グループアプローチの手法
- 倫理とキャリア支援の実際
多様な学習スタイル
通学型・オンライン型・ブレンド型など、ライフスタイルに合わせた学習方法が選べます。働きながら受講する方も多く、週末コースや夜間コースも充実しています。
標準的な受講期間は3〜6ヶ月程度です。相談援助の経験がある方は、コミュニケーションスキルの基礎があるため、キャリア領域特有の知識習得に集中できる場合もあるでしょう。
まとめ:専門性を深め、可能性を広げる
キャリアコンサルタントと精神保健福祉士は、それぞれが確立された専門領域を持つ価値ある資格です。
キャリアコンサルタントは、働く人のキャリア形成を支援する専門家として、企業や教育機関、公共職業サービスなど幅広い場面で必要とされています。
すでに精神保健福祉士として活動している方にとっては、キャリア支援の専門性を加えることで、支援の選択肢を広げられる可能性があります。
これから相談援助職を目指す方は、ご自身の関心や目指す支援のスタイルに合わせて選択されるとよいでしょう。
監修者:CMCA理事長須藤和之
複雑化している社会において、キャリアコンサルタントとして、一人ひとりの生き方としてのキャリアに寄り添い、相談者が自分で納得できる答えにたどり着くまで伴走します。 今のままでいいのか迷う気持ちにも丁寧に向き合い、前向きに歩み出すきっかけづくりを支援しています。