- スキルアップ
自己理解をさらに深めるワーク集
2025年09月08日

「相談者の支援をしているのに、なぜか自分自身のことがよくわからない」
この違和感、実は多くのキャリアコンサルタントが抱えている共通の悩みです。他者支援のプロフェッショナルだからこそ、自己理解の重要性を誰よりも知っているはず。それなのに、自分のこととなると立ち止まってしまう。
今回は、そんなあなたのための実践的なワーク集をご紹介します。
目次
なぜ今、自己理解が必要なのか
キャリアコンサルティングは、自分という「道具」を使う仕事です。その道具の特性を知らずに、どうして適切な支援ができるでしょうか。
自己理解は、単なる自己満足ではなく、相談者への支援の質を左右する重要なスキルなのです。
今すぐ始められる5つの深掘りワーク
1. 価値観の優先順位マッピング

仕事、家族、成長、安定、冒険、貢献など、20個の価値観カードを作り、直感で3つのグループに分類します。「絶対に譲れない」「大切にしたい」「あればいい」の3段階で整理することで、自分の判断基準が明確になります。
発展課題: なぜその価値観を大切にするようになったのか、原体験を3つ書き出す
2. 感情の履歴書作成
過去1年間で最も喜んだ瞬間、怒った瞬間、悲しんだ瞬間、不安だった瞬間を具体的に振り返ります。その時の状況、きっかけ、自分の反応パターンを分析することで、感情のトリガーが見えてきます。
活用ポイント: 相談者の感情に巻き込まれやすい場面を予測できる
3. 強みの他者フィードバック
信頼できる5人に「私の強みを3つ教えて」とメールで聞いてみましょう。返ってきた15個の強みを分類し、自己認識との差を確認します。意外な発見が、新たな可能性を開きます。
注意点: 弱みではなく強みに焦点を当てることで、建設的な自己理解につながる
4. 未完了リストの整理
「いつかやりたいと思っていること」を50個書き出し、なぜ実行していないのか理由を明確にします。時間、お金、スキル、勇気など、何が障壁になっているのか。このワークで、自分の行動パターンと制限的信念が浮き彫りになります。
次のステップ: 最も小さな一歩から始められることを3つ選んで実行
5. ライフラインチャート作成
生まれてから現在までの人生を横軸に、幸福度を縦軸にしたグラフを描きます。山と谷の部分で何が起きていたか、転機となった出来事は何か。このビジュアル化により、自分の成長パターンとレジリエンスの源泉が見えてきます。
実技試験への応用: 相談者の人生の転機を敏感に察知できるようになる
ワークを深める3つのコツ
1. 定期的な振り返り 3ヶ月ごとに同じワークを繰り返すことで、自己理解の変化と成長を実感できます。
2. 言語化の習慣 気づきは必ず文字にする。書くことで曖昧な感覚が明確な認識に変わります。
3. 仲間との共有 勉強会やピアグループでワークの結果を共有することで、新たな視点を得られます。
自己理解がもたらす変化
これらのワークを継続すると、相談者との面談で不思議な変化が起きます。自分の感情に振り回されることが減り、相手の話により深く耳を傾けられるようになる。それは、自分という存在に安心感を持てたから。自己一致の状態です。
自己理解は、一生続く旅です。完璧な自己理解などありません。でも、その探求のプロセスこそが、あなたをより優れたキャリアコンサルタントへと成長させるのです。
さあ、今日から一つでもワークを始めてみませんか。自分を知ることは、誰かの人生を支援する第一歩なのですから。