キャリアコンサルタント資格取得にかかる費用と賢い投資の考え方
2025年11月26日
キャリアコンサルタント資格の取得を検討する際、多くの方が気になるのが「費用」です。決して安い投資ではないからこそ、その内訳や価値をしっかり理解した上で判断したいものです。
この記事では、資格取得にかかる費用の全体像と、その投資を最大限に活かすための考え方をご紹介します。
目次
キャリアコンサルタント資格取得の費用構成
資格取得にかかる費用は、大きく分けて以下の4つに分類されます。
1. 養成講習の受講費用:約25万円〜50万円
キャリアコンサルタント試験の受験資格を得るには、厚生労働大臣が認定する養成講習(150時間以上)の修了が一般的なルートです。
養成機関によって価格には約25万円から約44万円の幅があります。
この価格差は、カリキュラムの内容、実習時間数、サポート体制、講師の質、受講形態(通学・オンライン・通信の組み合わせ)などが考慮され、各養成機関が価格を決定しています。
養成講習に含まれる主な内容
- 講義・演習の受講料
- テキスト・教材費
- 実習費用
- 修了試験費用
※一部の養成機関では、受講料とは別に入会金や教材費が必要な場合もあります。
2. 国家試験の受験料:38,800円
養成講習修了後、国家試験に合格する必要があります。
| 学科試験 | 8,900円 |
|---|---|
| 実技試験 | 29,900円 |
| 合計 | 38,800円 |
試験は学科試験と実技試験に分かれており、科目合格制度があるため、片方のみ合格した場合は次回以降、不合格科目のみ受験することも可能です。
3. 登録にかかる費用:17,000円
試験合格後、キャリアコンサルタント名簿への登録が必要です。
| 登録免許税 | 9,000円(収入印紙) |
|---|---|
| 登録手数料 | 8,000円 |
| 合計 | 17,000円 |
4. 更新・維持費用:5年ごとに約12万円〜13万円
キャリアコンサルタント資格は5年ごとの更新制です。更新には所定の継続学習が必要となります。
更新講習の受講が必要
| 知識講習 | 8時間以上(費用目安:約1万円〜3万円) |
|---|---|
| 技能講習 | 30時間以上(費用目安:約10万円前後) |
| 更新手数料 | 8,000円 |
合計で約12万円前後が5年ごとに必要となります。ただし、講習は5年間のうち任意のタイミングで分散して受講できるため、一括で支払う必要はありません。
費用を賢く抑える方法
教育訓練給付金制度の活用で実質負担を大幅軽減
多くの養成講習は「専門実践教育訓練給付金」の対象講座に指定されています。この制度を利用すると、修了時に受講費用の50%が支給され、資格取得後にさらに20%が追加支給されます(条件を満たせばさらに10%追加)。
給付金活用の具体例
例えば、受講料が約35万円の養成講習の場合、修了時に約17.5万円、資格取得後にさらに約7万円が支給され、実質負担額は約10.5万円程度まで軽減できます。30万円以下の養成講習であれば、実質負担はさらに少なくなります。
給付金を受けるための主な条件
- 雇用保険の被保険者期間が2年以上あること(受講開始日時点)
- ハローワークでの事前手続き(訓練前キャリアコンサルティングの受講を含む)が必要
- 対象講座として指定されている養成講習を選ぶこと
この制度により、経済的な負担を大きく軽減しながら資格取得を目指せます。給付金の詳細や受給資格については、養成講習の説明会でも説明を受けられます。
また、受講前には必ずお住まいの地域のハローワークで正式な手続きと受給資格の確認を行いましょう。
自分に合った養成講習の選び方
価格だけで選ぶのではなく、以下の視点で総合的に判断することが重要です。
| 確認ポイント | 詳細 |
|---|---|
| 受講形態 | 通学・オンライン・ブレンド型など自分のライフスタイルに合うか |
| サポート体制 | 質問対応、補講制度、合格後のフォローアップの充実度 |
| 合格実績 | 過去の受講生の合格率や合格者数 |
| 実習の質 | ロールプレイの回数や実践的な演習の充実度 |
| 卒業生のネットワーク | 資格取得後の横のつながりやコミュニティ |
費用対効果を高める3つの視点
1. 確実な合格を目指せる環境を選ぶ
キャリアコンサルタント試験の合格率は、学科試験が約60〜70%、実技試験が約60〜75%、学科・実技同時受験で約50〜60%程度で推移しています。養成講習をしっかり受講し、適切な学習を行うことで、多くの方が合格を実現しています。
サポート体制が充実した養成講習を選ぶことで、わからないことをすぐに解消でき、学習のペースを保ちながら確実に合格を目指せる環境が整います。試験は年3回実施されるため、万が一の場合も再チャレンジしやすいフォロー体制がある養成講習がポイントです。
2. 資格取得後のキャリアを見据える
キャリアコンサルタント資格は、以下のような多様な活躍の場があります。
- 企業内でのキャリア支援・人材育成業務
- 人材紹介・派遣会社でのキャリアアドバイザー
- 大学・専門学校での就職支援
- ハローワークや自治体での相談業務
- 独立開業によるキャリアコンサルティング
資格取得は初期投資ですが、その後のキャリアの選択肢が広がることで、長期的なリターンを得られる可能性があります。現在の仕事に活かせるのはもちろん、セカンドキャリアや副業としても価値ある資格です。
3. 継続学習を前向きに捉える
5年ごとの更新には継続学習が必要ですが、これはキャリアコンサルタントとしての質を維持し、最新の知識やスキルを習得する機会でもあります。
更新費用は「資格を保つためのコスト」ではなく、「専門性を高め続けるための投資」と考えることで、前向きに取り組めます。
まとめ:投資としてのキャリアコンサルタント資格
キャリアコンサルタント資格の取得には確かに費用がかかりますが、それは「自分自身への投資」です。資格取得によって得られるのは、単なる称号ではありません。
- 体系的な専門知識とスキル
- キャリア支援のプロフェッショナルとしての自信
- 多様なキャリアの選択肢
- 人の成長に寄り添える喜びと社会貢献
費用面での不安は当然のことですが、教育訓練給付金などの制度を活用し、自分に合った養成講習を選ぶことで、無理なく資格取得を目指せます。
大切なのは、費用の安さだけで判断するのではなく、「確実に合格できる環境」「資格取得後も活かせる学びの質」を重視することです。