キャリアコンサルタントの仕事内容を詳しく解説|活躍の場と実際の業務
2025年11月17日
「キャリアコンサルタントって、具体的に何をする人なんだろう?」「人事の仕事と何が違うの?」—キャリアコンサルタントという資格に興味を持ったものの、実際の仕事内容がイメージできず、資格取得に踏み切れない方も多いのではないでしょうか。
キャリアコンサルタントは、企業内、教育機関、公的機関、独立開業など、多様な場所で活躍できる国家資格です。本記事では、キャリアコンサルタントの具体的な仕事内容を、活躍の場ごとに詳しく解説します。
目次
キャリアコンサルタントは「何をする人」なのか
キャリアコンサルタントは、個人のキャリア形成を専門的に支援する人です。カウンセラーのように悩みを聞くだけでなく、相談者の適性や経験を踏まえて、具体的な職業選択や能力開発の助言を行います。
キャリアコンサルタントは、2016年に国家資格化された職業能力開発促進法に基づく名称独占資格です。資格保有者には厳格な守秘義務が課せられ、相談内容の秘密保持が法的に保証されています。
人事の仕事とどう違うのか
人事担当者もキャリア面談を行いますが、キャリアコンサルタントとは大きく異なります。
キャリアコンサルタントの特徴
- 相談者本人の利益を最優先に考える中立的な立場
- キャリア理論、カウンセリング技法など体系的な専門知識と150時間以上の訓練を受けている
- 法的に保証された守秘義務で相談者が安心して本音を話せる存在
つまり、人事担当者が「組織の人材マネジメント」を担うのに対し、キャリアコンサルタントは「個人のキャリア自律支援」に特化した専門家といえます。
どんな場所で働けるのか|活躍の場と具体的な仕事内容
企業内キャリアコンサルタント
企業の人事部や人材開発部に所属し、従業員のキャリア形成を支援します。
個別キャリア面談
従業員との1対1の面談が中心的な業務です。新入社員の早期離職防止、中堅社員のキャリアプラン作成、役職定年前後のセカンドキャリア設計など、ライフステージに応じた支援を行います。
面談では、「今の仕事で何にやりがいを感じているか」「将来どうなりたいか」「どんなスキルを伸ばしたいか」などを引き出し、相談者自身が主体的にキャリアを考えられるよう支援します。
キャリア研修の企画・実施
階層別、目的別のキャリア研修を企画し、講師として登壇します。
- 新入社員向け:キャリアデザイン基礎、自己理解を深めるワークショップ
- 中堅社員向け:キャリア自律の重要性、経験の振り返りとスキル開発計画
- 管理職向け:部下のキャリア支援スキル、効果的な面談の方法
人事制度への関与
従業員が自律的にキャリアを築ける組織づくりをサポートします。
- キャリアパスの設計と可視化、社内公募制度の運用支援
- 評価制度へのキャリア視点の導入
教育機関でのキャリアコンサルタント
大学、高校、専門学校などで、学生・生徒の進路選択とキャリア形成を支援します。
大学のキャリアセンター
学生の就職活動を総合的に支援します。
- 個別キャリア相談:適性、興味、価値観を見極めながら納得のいく進路選択をサポート
- 就職活動支援:自己理解の深化、エントリーシート添削、面接対策など実践的な指導
- 業界研究セミナー:様々な業界の特徴や働き方を紹介し、視野を広げる機会を提供
高校・専門学校
高校では大学進学、専門学校進学、就職など多様な進路に対応した情報提供と相談対応を行い、保護者とも連携した支援を実施します。専門学校では、専門分野の知識を活かした実践的な就職指導で、資格取得から就職まで一貫したキャリア支援を提供します。
公的機関でのキャリアコンサルタント
ハローワーク、地域若者サポートステーション、ジョブカフェなどで、求職者への相談支援を行います。
主な支援内容
- 再就職支援:職業経験やスキルの聞き取り、強みの発見をサポート
- 若年層の就労支援:就労に向けた一歩を踏み出す方を支援
- 職業適性検査の実施と解釈、応募書類作成支援、職業訓練の紹介
独立・フリーランスのキャリアコンサルタント
独立開業したキャリアコンサルタントは、個人向けキャリア相談、企業研修講師、オンラインキャリアコーチングなど、自分のスタイルで多様な働き方ができます。
転職相談、キャリアチェンジ支援、復職支援などを提供し、IT業界専門、医療従事者専門など特定分野に特化することで高い専門性を発揮できます。
資格取得への第一歩
キャリアコンサルタントの仕事内容に魅力を感じたら、資格取得に向けて動き出しましょう。
養成講座で学べること
厚生労働大臣が認定する養成講座(150時間以上)では、以下の内容を体系的に学びます。
- キャリアコンサルティングの理論、カウンセリング技法
- 労働市場と職業の知識、関係法令の理解
- ロールプレイなどの実習
養成講座では、実際の面談を想定したロールプレイを繰り返し行い、実践的なスキルを身につけます。講師や受講生同士のフィードバックを通じて、自分の面談スタイルを磨いていきます。
説明会で確認すべきこと
多くの養成機関が無料説明会を開催しています。説明会では以下の点を確認しましょう。
- 具体的な授業内容とスケジュール、実習の進め方と回数
- 講師陣の実務経験、修了生の就職・活動実績
- 資格取得後のサポート体制
説明会に参加することで、養成機関の雰囲気や講師との相性も確認できます。自分に合った学習環境を見つけることが、資格取得への第一歩です。
まとめ
キャリアコンサルタントは、企業内、教育機関、公的機関、独立開業など、多様な場所で活躍できる国家資格です。人事の仕事とは異なり、個人のキャリア自律を専門的に支援する役割を担います。
具体的な業務内容は活躍の場によって異なりますが、共通しているのは「相談者の話を丁寧に聴き、その人らしいキャリア形成を支援する」ことです。