福祉分野の公務員とキャリアコンサルタント資格|得の価値と実現ステップ
2025年12月26日
生活保護、障害者支援、ひとり親家庭支援、子育て支援など、福祉分野で働く公務員にとって、キャリアコンサルタント資格は業務の質を高める有力な選択肢です。
本記事では、福祉現場で働く公務員だからこそ発揮できる価値と、実際の取得プロセスについて解説します。
目次
福祉分野とキャリアコンサルタント資格の親和性
福祉現場で求められる支援の視点
福祉現場では、生活課題を抱える方々への支援において、単なる制度説明や手続きだけでなく、その方の人生全体を見据えた支援が求められています。
キャリアコンサルタントの知識とスキルは、こうした「人生の再構築」を支援する専門性として活かすことができます。国家資格として体系化されたキャリア支援の理論と実践手法を学ぶことで、相談者一人ひとりの自立や成長を支える質の高い支援が可能になります。
福祉担当公務員だからこそ発揮できる価値
生活課題とキャリア課題を統合的に支援
福祉現場での相談業務において、キャリアコンサルタントの専門知識を持つことで、以下のような統合的な支援が実現できます。
生活保護ケースワーク
- 就労支援における相談者の強みや適性の把握
- 職業選択の視点を取り入れた自立支援計画の作成
- 就労意欲を引き出すための動機づけ面接技法の活用
障害者支援
- 障害特性を踏まえたキャリア形成支援
- 就労移行支援や就労継続支援における個別支援計画の質的向上
- 本人の希望と可能性を最大限に引き出す相談スキル
ひとり親家庭支援
- 生活再建とキャリア再構築の両面からのサポート
- 資格取得や職業訓練に関する具体的なキャリアプランニング
- 子育てと仕事の両立を見据えた現実的なキャリア相談
子育て支援
- 育児休業からの復職に悩む保護者へのキャリア相談
- 子育て中の再就職や働き方に関する支援
- 保護者自身のキャリア形成を支える視点の提供
これらは、福祉的支援に専門的なキャリア支援の視点を加えることで、相談者の自立や社会参加をより実効性の高い形で支援できる要素です。
福祉現場の経験とキャリア支援の掛け合わせ
福祉分野で培った経験そのものが、キャリアコンサルタントとしての独自の強みになります。
生活困窮者への理解
- さまざまな背景を持つ方々への支援経験
- 経済的困難や生活課題への実践的な理解
- 制度や社会資源に関する豊富な知識
傾聴と共感のスキル
- 福祉現場で培った相談援助技術の基盤
- 困難な状況にある方への寄り添う姿勢
- 信頼関係を築くコミュニケーション能力
多職種連携の経験
- ハローワーク、医療機関、NPOなど関係機関との協働実績
- ケース会議やカンファレンスの運営経験
- チームで支援を進めるコーディネート力
これらの経験にキャリアコンサルティングの専門知識が加わることで、福祉とキャリア支援の両面から相談者を支えられる貴重な専門家となれます。
相談者の自立と社会参加という共通の目標
福祉支援とキャリア支援は、「一人ひとりの自立と社会参加」という目標を共有しています。
福祉現場では生活基盤を整える支援を行いますが、キャリアコンサルタントの視点を持つことで、「働くこと」を通じた自己実現や社会参加の支援がより深められます。生活の安定と働く意欲の向上が相乗効果を生み、相談者のより良い人生につながる、そんな支援を実現できます。
専門性の深化と活躍の場の拡大
福祉分野での経験とキャリアコンサルタント資格を組み合わせることで、より専門的で指導的な役割を担う機会が広がります。
専門家としての活躍の場
- 自治体の就労支援施策の企画・立案への参画
- 福祉現場の職員向けキャリア支援研修の講師
- 地域の就労支援ネットワークのコーディネーター役
- 生活困窮者支援とキャリア支援を統合した新たな支援モデルの構築
- 福祉とキャリア支援の専門家として外部機関への助言・指導
- 大学や専門学校での実習指導やゲストスピーカー
福祉現場での実践経験と、キャリア支援の専門資格の両方を持つ人材は、政策立案や人材育成の場面で特に重宝されます。現役時代から専門性を磨いておくことで、より高度な役割を担う可能性が広がります。
柔軟な学習スタイルで資格取得を実現
養成講習という選択
キャリアコンサルタント資格を取得するには、厚生労働大臣が認定する養成講習(150時間以上)を修了し、国家試験に合格するルートが一般的です。
多くの養成機関が社会人受講者向けに柔軟な受講形態を提供しています。
| 受講形態 | 特徴 | 期間目安 |
|---|---|---|
| 通学(週末中心) | 土日を中心に通学 | 4〜6ヶ月 |
| オンライン | 自宅学習+集中実習 | 3〜6ヶ月 |
| 平日夜間+週末 | 仕事後の時間を活用 | 4〜6ヶ月 |
学習時間の確保
養成講習の受講にあたっては、年次有給休暇を計画的に取得するなど、無理のない範囲で学習時間を確保することが基本となります。
組織によっては自己啓発に関する支援制度が設けられている場合もありますので、詳細は人事担当部署に確認されることをお勧めします。
資格取得までの流れ
キャリアコンサルタント資格取得は、以下のステップで進みます。
1. 養成講習の受講(約4〜6ヶ月)
理論学習と実技演習を通じて体系的に学習
2. 国家試験の受験
学科試験と実技試験(論述・面接)に合格
3. キャリアコンサルタント名簿への登録
合格後、国家資格として正式に登録
養成講習では、キャリアコンサルティングの理論、カウンセリング技法、労働市場の知識などを学ぶとともに、実際のキャリア面談を想定したロールプレイ演習を繰り返します。
福祉分野で働く受講生も多く、同じ志を持つ仲間との学び合いも大きな収穫となります。
なぜ養成講習なのか
福祉現場で働く公務員がキャリアコンサルタント資格を取得する場合、養成講習の受講が最も確実で実践的な学びを得られる方法です。
体系的な学習環境
- 厚生労働省認定カリキュラムによる網羅的な学習
- 経験豊富な講師陣による実践的な指導
- 理論と実技のバランスが取れた構成
実践力の育成
- ロールプレイを通じた面談スキルの習得
- さまざまな職業背景を持つ受講生との演習
- 福祉現場で即活用できる具体的な技法の体得
仲間との出会い
- 同じ目標を持つ社会人受講者との交流
- 福祉分野の受講者も多く、情報交換が可能
- 修了後もつながる専門家ネットワークの構築
多くの養成機関が無料説明会や個別相談を実施しています。まずは情報収集から始め、自身の働き方に合った学習計画を検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
福祉分野で働く公務員がキャリアコンサルタント資格を取得することは、現在の業務の質を高め、相談者の自立や社会参加をより深く支援するとともに、将来の活動の選択肢を広げることにつながります。
福祉現場で培った経験とキャリア支援の専門性を掛け合わせることで、生活支援と就労支援の両面から相談者を支えられる専門家となる。その可能性を、養成講習という学びの場から始めてみませんか。
監修者:CMCA理事長須藤和之
複雑化している社会において、キャリアコンサルタントとして、一人ひとりの生き方としてのキャリアに寄り添い、相談者が自分で納得できる答えにたどり着くまで伴走します。 今のままでいいのか迷う気持ちにも丁寧に向き合い、前向きに歩み出すきっかけづくりを支援しています。