- スキルアップ
相談者のフォローアップ方法
2025年10月08日

「面談後、あの相談者はどうなったのだろう」
この気がかりを抱えながらも、次の相談者対応に追われる日々。しかし、適切なフォローアップこそが、支援の効果を最大化し、相談者の真の成長を促す鍵となります。
目次
フォローアップの本当の意味
フォローアップは「アフターサービス」ではありません。それは、相談者の自立を支える「伴走」であり、変化を定着させる「仕組み」です。
3つの重要な機能
- 行動の継続支援
- 新たな課題の早期発見
- 成長の承認と動機づけ
タイミング別フォローアップ戦略
1. 24時間以内:記憶が新鮮なうちに
面談直後の行動が最も重要。短いメールで構いません。
例文 :「本日はありがとうございました。○○について一緒に考えられて良かったです。次回までに△△を試してみてくださいね」
2. 1週間後:実行の確認
約束したアクションの進捗を気にかけます。
アプローチ例
- 「先週お話しした企業研究、いかがでしたか」
- 「何か新しい発見はありましたか」
- 「困ったことがあれば遠慮なく」
プレッシャーにならない、さりげない声かけがポイントです。
3. 1ヶ月後:振り返りと軌道修正
定期的な接点を持つことで、小さな変化を見逃しません。
確認事項
- 目標に向けた進捗
- 新たに生じた課題
- 次のステップの明確化
4. 3ヶ月後:成長の可視化
変化を実感できる時期。成長を言語化して返します。
「3ヶ月前と比べて、表情が明るくなりましたね。何が変わったと思いますか」
効果的なフォローアップツール
メール活用術
- 件名に「フォローアップ」と明記
- 3行以内の簡潔な内容
- 返信不要の場合は明示
- 励ましの言葉を添える
電話フォローのコツ
- 事前にメールで都合確認
- 10分以内を目安に
- 聴くことをメインに
- 次回面談の必要性を見極める
オンラインツールの活用
- LINEやチャットでの気軽な相談
- Zoomでの短時間面談
- 共有フォルダでの進捗管理
フォローアップの境界線
適切な距離感の保ち方
やりすぎ注意
- 毎日の連絡は依存を生む
- プライベートへの過度な関心
- 解決を代行してしまう
ちょうど良い関わり
- 定期的だが頻繁すぎない
- 見守りの姿勢
- 自己決定の尊重
守秘義務とフォローアップ
組織内でのフォローアップでは、情報管理に特に注意。
- 上司への報告範囲の明確化
- 記録の適切な管理
- 本人同意の確認
フォローアップを成功させる5つの心得
- 約束は必ず守る:「また連絡します」と言ったら必ず実行
- 相手のペースを尊重 :返信がなくても焦らない
- 小さな変化を見逃さない:些細な成長も積極的に承認
- 記録を残す:フォローアップ内容を必ず記録
- 終結も大切に:自立のタイミングを見極める
実技試験でのフォローアップ言及
面談の最後に必ず触れておきたいフォローアップ。
「今日お話しした内容について、1週間後にどうだったか教えていただけますか」 「何か困ったことがあれば、遠慮なく連絡してください」
これらの一言が、継続的支援への姿勢を示します。
フォローアップがもたらす価値
適切なフォローアップは、相談者に「一人じゃない」という安心感を与えます。その安心感が、新しい挑戦への勇気となり、持続的な成長につながります。
また、支援者にとっても、相談者の成長を見届けることは大きな喜びです。「あの時の相談者が、今はこんなに成長した」という実感こそ、キャリアコンサルタントとしての最高の報酬ではないでしょうか。
フォローアップは、点の支援を線でつなぐ大切な営み。今日から、あなたも意識的なフォローアップを始めてみませんか。